室内側の石膏ボードを撤去して構造材などの状態を確認しました。
やはり30年前の建物だと今の基準には合わない部分も出てきます。
地震や風などの水平力に耐えるために筋かいという斜めの木材を入れていますが、釘で止まっているだけでこれでは大きな水平力がかかったときに木材が抜けてしまい倒壊の恐れがあります。現在では金属のプレートで柱と筋かいを結合するようになっているので、その基準に合うように補強をしていきます。補強については家の一部分だけ補強するのは全体のバランスが悪くなり、補強していない弱い部分に力が集中してしまうので、補強するなら全体のバランスを見て補強する必要があります。
壁の中にエアコンの配管を隠ぺいしており、冷媒管の断熱が確実ではなかったため壁内結露してカビが発生していました。外観に配管を見せたくない場合にこのような方法を取る会社もありますが、このような不具合や将来のメンテナンスの難しさ、断熱材の充填不足などがあるため、素直に外壁の外側へ出すべきと考えます。ただあまり見せたくないものではあるので配置や見えにくいデザインなど工夫は常に検討しています。
自然を取り入れた豊かさやデザインの楽しさ・心地よさなどは、構造的な安心や断熱などの性能による健康的な暮らしが前提になければ楽しめないもの。リノベーションを機会にしっかり整えます!